民泊開業の費用と融資について
こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
最近、法改正に伴い、だいぶ「民泊」が盛り上がっているようです。
私の周りでも、準備に着手する方がいる一方、すでに早々と事業から
撤退した方もいて状況は様々ですが、今後、しばらくは東京オリンピ
ックに向けてさらに開業の動きは活発になるのでしょう。
しかし、いくら民泊事業が簡単にできるようになったとはいえ、いま
ある自宅をそのまま貸し出してできるほど簡単なものではありません。
事業としてこれをするのであればそれなりに、手間もお金もかかるこ
とになります。
したがって、今回は
「民泊を始めるのにどれくらいのお金がかかるのか?」、そして
「本当に融資が受けられるのか?」について考えてみたいと思います。
民泊を始めるには?
そもそも民泊とは、「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部
を活用して宿泊サービスを提供するもの」とされ、これを始めるには
1. 簡易宿所としての民泊(旅館業法)
2. 特区民泊としての民泊(国家戦略特別区域法)
3. 民泊新法による届出住宅としての民泊(住宅宿泊事業法)
※ イベント民泊を除く。
のいずれの許可が必要となります。
そのため、これまでは1.か2.のどちらかの許可を取らなければならな
かったわけですが、
1.については、原則、床面積が33平米以上であること。
2.については、1居室25平米以上でOKだけど、各居室に台所、浴室、
便所及び洗面設備を設けること。
などの条件があるため、これまでなかなか踏み切れなかった人も多か
ったのではないかと思います。
特に2.については特区に指定されている場所が少なく(東京都は大
田区のみ)この場所的な制約のせいで、やるにやれないということも
ありました。
しかし、平成30年6月15日から施行される民泊新法(住宅宿泊事業法)
では、一定の基準を満たす住宅について、届出手続を行うだけで民泊
営業が可能となることから大きな注目を集めています。
民泊開業の資金は?
このように以前と比較すると、だいぶ開業のハードルの下がった民泊
事業ですが、では、これを始めるにはいくらくらいのお金がかかるの
でしょう?
実際に、民泊を始められた方たちのブログを見ると、それなりの資金
が必要になるということがわかります。
葛飾区で賃貸物件をリフォームした例
・ビル全体のリフォーム代 1000万以上
・リネン、家具、電化製品 100万円
・登録関係、その他諸費用 100万円
葛飾区で賃貸物件をリフォームした例
・保証金5か月分など入居費 450万円
・改装費 200万円
・家具電化製品 120万円
・エアコン、テレビ、電話など備品破棄費用 20万円
・運転資金 110万円
札幌で賃貸物件をリフォームした例
・賃貸費用、工事費、運転資金込 1,000万円
いろいろなパターンがあるようですが、ある程度まとまった部屋数を
使って事業をするには1,000万円程度の資金が必要なようです。
では、次に、このお金をどこが貸してくれるかということになります。
最近ではクラウドファンディングで資金を集めるという方もいるよう
ですが、やはり王道としては、日本政策金融公庫や制度融資などの政
府系金融機関からの融資になるかと思います。
では、これらの金融機関の融資を申し込んだ場合、誰でも簡単にお金
が借りれるかといえば、個人的には
「民泊事業については、かなりハードルが高い」
と考えています。
おそらく、このような事業をされる方のほとんどが、初めて事業をさ
れる方だと思います。
そうなると無担保無保証で使える融資制度としては、日本政策金融公
庫 - 新創業融資制度制度融資 - 各都道府県または市町村の制度融資
のいずれかとなります。
※ ここでは無担保無保証での借り入れのみを対象とします。
しかし、いずれを利用するにしても、次のような要件があります。
・ 一定の自己資金があること。
・ ある程度、その事業に関する経験があること。
本当はもっと細かな要件があるのですが、最低限クリアーしなくては
ならないものとしてこの2つの存在があるわけです。
まず、「自己資金」の件ですが、これについては事業にかかる経費の
1/10以上の自己資金があればよいということになっていますが、実際
にはそんなわけもなく、現実的に借りられるのは自己資金の3倍、多
くても4倍程度というのが普通です。
なので、1,000万円の融資を受けたかったら、300万円程度の自己資金
が必要ということになります。
また、「事業経験」については、具体的に〇年以上必要とはされてい
ませんが、最低でも2~3年程度はほしいところです。
しかし、これから民泊を始めようという方は、おそらく宿泊業に関す
る経験はないのでしょうから、経験年数は0年ということになってし
まいます。
いくら創業者にやさしい政府系金融機関とはいえ、事業経験のまった
くない人への融資にはかなり厳しいというのが現実です。
そんなわけで、これから希望する方は増えてくると思われる「民泊」
ですが、いざお金を借りようとすれば、はじめの段階でもこれだけの
要件がクリアーできなければならないということになります。
さらに民泊事業そのものは、そんなに高利益の事業というわけではな
いため、借りたお金の返済にはそれなり時間もかかります。
したがって、これから民泊を始めようとする方は、政府系の金融機関
だからすぐに借りれるだろうとなど甘いことを考えず、リスクにも十
分に注意してください。
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