要注意!飲食店の創業融資はこんなに特殊。

行政書士再生コンサルタントの引地です。
創業融資の仕事をするうえで、いろいろな業種の方のお手伝いをする
機会が多いのですが、実はその中でもチョット気をつけなければなら
ないものがあります。
それは「飲食店」です。
飲食店の融資では、通常の場合と違って、かなり気をつけなければ
ならないことがいくつかあります。
なので、このポイントをシッカリ押さえておかないと、あとから
お客さんから「こんなはずじゃなかった。」とクレームを受けたり
最悪、「損害賠償」に発展する可能性も生じます。
とはいえ、飲食店の創業融資は、金額が大きいものが多いうえに、
場合によっては許認可もついてくるというおいしい仕事なので
これを見逃す手はありません。
では、飲食店の創業融資を手伝う際には、
「どんなリスクがあるのか?」
「どんな対応をすればよいのか?」
について詳しくご説明します。
飲食のオープンにはこんなに費用がかかる!
飲食店のオープンにかかる金額
飲食店のオープンをする場合、ほとんどの方が店舗、いわゆる
テナントを借りて営業することになると思います。
しかし、一般的に飲食店用のテナントを借りる場合には
◆ 保証金 3~6ケ月分
◆ 当座の家賃 1ケ月分
◆ 礼 金 1ケ月分
◆ 仲介手数料 1ケ月分
などの合計6~9ケ月分の費用かかかります。
ここで問題となるのが、「これをいつ支払うのか?」ということです。
通常、テナントを借りる場合には次のような流れになります。
■ 情報誌やネットを見て気に入った物件を見つける。
↓
■ 気に入った場合には、管理会社へ連絡し申し込みをする。
↓
■ 期限までに手付を打つ、または契約を締結する。
一方でこれに融資が絡む場合には、申し込みから融資が出るまで
約1~1.5ケ月の時間がかかります。
つまり、テナントを借りるときには、その初期費用には融資のお金は
使えないわけです。
なので、この場合には、手持ちの自己資金からこれを出さなければ
なりません。
融資のために飲食店が抱えるリスクとは?
しかし、もし、これを支払うだけのお金がない場合には
どうなるのでしょうか?
ここで、大家さんが良い人で「融資が出てからの支払いでよいよ」
と言ってくれるならばよいのですが、現実にはまずそんなことは
ありません。
それに一度、部屋を貸してしまえば、その後、借主は多かれ
少なかれ、その店舗のリニューアルをするのが普通です。
つまり大家の側とすると、部屋は貸したものの、
「もし、融資が出なかった場合には、保証金等の初期費用は
取れない上に、部屋は中途半端に工事済」
という、なんとも言えない状況となってしまいます。
そのため、初期にかかる費用の支払いを受けてからでないと契約を
認めてもらえないというのが大半です。
このようなわけで、飲食店の開業をする多くのケースでは
「ひょっとすると融資が出ないかも・・・」
というリスクを抱いたままで、10ケ月分近い初期投資を行っている
わけです。
飲食のオープンはスケジュール間が命
これだけじゃない飲食店側のリスク
このように飲食店のオープンでは、融資の結果にかかわらず、
多額の資金を先払いしなければならないというリスクがあるわけですが
しかし、問題はこれだけではありません。
飲食店のオープンでは、通常、リニューアル工事を行いますが
これについても「前金・中間金・清算金」という計3回の支払いが
必要となります。
最近では、中間金の支払いを省略し、着手金と清算金だけというケース
も増えていますが、この場合でも少なくとも2回のお金の支払いが必要と
なります。
この場合、清算金については融資で支払うことができるとしても、
着手金についてはやはり自己資金から支払わなければなりません。
さらに、飲食店の開業では、保健所の営業許可も必要です。
また、業種によっては、さらにこれに深夜営業の許可も取らなけ
ればなりません。
もし、これらの許認可の取得が遅れることがあれば、
挨拶状の出し直しや、余分な賃料や給与の支払いをしなければ
ならないことになります。
つまり飲食店を始める場合には
■ テナントを借りるためには、いくらの費用が必要か?
その分の自己資金はあるのか?
■ 工事の着手金とそれ以外の費用はいくらかかるのか?
また、それをいつ支払うのか?
■ 保健所の許可はいつとれる見込みなのか?
深夜営業の許可が必要な場合には、
いつまでに提出しなければならないのか?
■ これらのスケジュールでオープンに間に合うのか?
ということを事前にシッカリとスケジューリングして
おかなければならないこととなります。
許認可の取得のポイントとタイミング
ちなみに、保健所の許可を取るためには現地の検査が必要となります。
この検査を受けるためにはテナントのトイレ、手洗い所などといった
衛生設備が出来上がっていることが必須条件です。
また、検査の時には壁や床、カウンター、各種照明などといった、
店舗の大まかな造作もできていなければなりません。
水道や電気が使えるようになっていることも必要です。
そうなると
「工事のいつの時点でこれらの設備ができるのか?」
「保健所にはいつ来てもらえばよいのか?」
などといった工事業者との調整が非常に重要となります。
このように、飲食店の融資では、資金の手配だけでなく、許認可や
それに伴う工事の調整なども同時にしなければならないわけです。
なので、私の事務所では飲食店の融資をサポートする場合には、
必要なことをあらかじめすべて聞き出し、以下の項目について
スケジュール表を作成して臨みます。
● テナント賃貸の前払いの額とそれをいつまでに支払うのか?
● 工事の着手と完成までのスケジュール
● 営業許可の検査のために必要な工事の完成の予定
● 工事残金の支払い時期
● グラス等の備品の手配と配送予定
● 食材の仕入れタイミング
● 融資の申し込み時期とそれが出る見込みの時期
飲食店の融資は確かに金額が大きくなりやすいので報酬もよいの
ですが、そのためにはこれだけの準備をしなければならない
ということをおぼえておいてください。
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