調査員は見た!補助金支給の裏側

こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
「補助金について興味ありませんか?」
と聞かれたら、大抵の方が興味があるとお答えになるのではないか
と思います。
しかし、「実際に補助金がどのように支給されているか?」という
ことについて詳しくご存知の方は少ないのではないでしょうか?
実は私は、5年ほど前に補助金の支給の現場にじかに携わって、
その表も裏もいろいろと見させていただきました。
なので、今回はその時の経験をもとに、実際に携わった人でないと
わからない補助金至急の裏側についてお話ししたいと思います。
補助金審査の流れ
当時、私がお手伝いした補助金は「ものづくり補助金」といって、
補助上限額は1,000万円、補助率は3分の2となかなか大型の補助金
でした。
対象となるのは、モノづくりを行う製造業の中小企業がメインです。
※ 現在はサービス業などにも対象が拡大しています。
補助金の申請~受給までの流れは、およそ次のようになります。
① 応募申請
↓
② 審 査
↓
③ 交付決定(OKの場合)
↓
④ 事業の実施
↓
⑤ 実績の報告
↓
⑥ 確定検査
↓
⑦ 補助金の支払い
これだけの工程をこなすわけですので、補助金の申請の時から考え
ると、受給ができるようになるまでには、半年~1年位の時間がか
かります。
このうち私が担当していたのは⑥と⑦の作業で、要は補助金審査に
合格した人が実際に事業にかかった経費を請求し、それについて内
容が適切に使われているかどうかを検査するというものになります。
事業の中身については、それ以前(フローでいうところの②と③)
の段階で、学者やら行政の方により決定されているので特に問題は
ないのですが、当時の担当者を悩ませたのが、「事業者からのクレ
ーム」です。
ありえないクレームの中身とは?
本来、私の所属していた部署では、補助金の対象となる事業の中身
を精査して、「正しい方法で使われているか?」、「請求額に誤り
がないか?」などを検査していました。
「補助金の使い方」というと、たいていの人は「事業の中身につい
てはすでにお墨付きをもらっているのだから、使い道についても、
そんなに問題にはならないんじゃないの?」と考えると思います。
それが実は問題大ありで、実際にはかなりの割合の方が決められた
使い方をしません。
例えば、「事業を行うための人件費」などは内容が正しければ問題
なく認められるものですが、実際にはかなり厳しい条件がつけられ
ています。
例をあげれば、「補助事業をするときはその作業だけをしなければ
ならず、その途中で自分の本業の仕事などはしてはならない」こと
になっています。
また、作業の時間についても、あらかじめ計画で認められた作業時
間が、たとえば13:00~17:00となっている場合には、この時間内で
しか作業ができません。
気分が乗ってきたからといって、この時間を過ぎて作業をするのは
自由ですが、その場合は規定を超えた部分についてのお金は支給対
象とはなりません。
さらに、事業に使う材料なども決まっていて、計画よりもいいもの
を使った場合なども本来の材料費との差額は出ないことになってい
ます。
しかし、ものづくりをする人というのは概して大雑把というか、細
かいことを気にしない人が多く、規定で決められたことをしない人
のオンパレードとなります。
したがって、最終的には
「かけた費用分の補助金を出せ!」
「規定に違反しているから出せない!」
というやり取りになるわけですが、大抵の場合はこちら側の負けと
なります。
それはなぜかといえば「上司が甘いから」。
私が手伝っていた検査部隊には、主に2人の決裁者がいましたが、
そのどちらも役所からの出向者でした。
なのでクレームはできるだけ、穏便に済まそうというタイプ。
また、クレームをつけてくる事業者の中には電話だけでなく、実際
に事務所までやってきてごねる人などもいました。
もっとひどいケースでは、議員を使ってくる人も・・・
それでも、そのクレーム中身が多少ましなら聞く耳も持てるのです
が、その多くは
「規定など読んでいないけど、とにかくそれだけ費用が掛かったの
だから金を出せ」
という小学生レベルのものばかり。
こんな人たちとまともにやりあっていたらただでさえ少ない時間と
人手がさらになくなってしまうので、ハードなクレームについては
目をつぶる。というのが当時のやり方でした。
もちろんすべての補助金の現場でこのようなことが行われているわ
けではないと思いますが、聞いた話では、そもそも事業の採択決定
の段階から、議員や圧力団体のようなものを使っている人も少なく
ないとか・・・
皆さんについては、補助金の申請をするときには、くれぐれもこの
ようなことがないようにしてください。
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