祝増刷決定! でも、その裏側には?
こんにちは。行政書士再生コンサルタントの引地です。
私事で恐縮ですが、今度、幣著「公的創業融資を確実に引き出す本」の増刷
が決定しました。増刷は6回目なので、今回で第7刷ということになります。
これもすべて皆さんのおかげと感謝しています。
担当の方からも「士業の方が書いた本のほとんどが増刷ができない中、10年
にわたって売れ続けているのは非常に珍しい。」というお言葉をいただきま
した。
また、士業で7刷というのも、あまり例がないようです。
しかし、それまで出版経験のない人間が書いた本がなぜ、ここまで生き残る
ことができたのか?
今回はこの疑問に答えるために、出版の経緯について振り返ってみようと
思います。
皆さんのなかにも、すでに出版の経験がある方や、いずれは自分も出版した
いとお考えの方もいると思いますが、今回の私の教訓がお役に立てれば幸い
です。
「公的創業融資を確実に引き出す本」が発売された頃の状況は?
まず、なぜ大した実績もない私が、いきなり「公的創業融資を確実に引き出
す本」を書くことになったかについて少しお話ししたいと思います。
当時は、私もまだ行政書士4年目で、新人の頃よりは多少の経験を積んだと
はいえ、まだまだ新人に毛の生えたようなものでしたが、それにも関わらず、
「いずれ自分の仕事について本を出したいな」などと、ずうずうしく考えて
いました。
そんな中で、知り合いが交流会を主宰するというので、出向いてみたのです
が、実際に行ってみたところ主催者の方は忙しく、挨拶程度しかできません。
仕方がないので、その辺にいる人と名刺交換をして時間をつぶすこととしま
した。
ブラブラと2~3人の方と名刺交換を終えた時です。
部屋の隅に下がって一息つこうかと考えていたところ、名刺を持った男の人
が挨拶に来ました。
こちらも挨拶を交わしつつ、もらった名刺を見るとTACの文字が目に入っ
てきました。
この時私は「あー、TACさんか。資格学校の人だな」と思っただけだった
のですが、よくよく話を聞いてみるとその方は、TACはTACでも、なん
と出版部門の人だったのです。
彼から話を聞くところによれば、これまでTACでは資格試験向けの書籍は
作っていたけど、さらにバリエーションを増やすため、一般社会人向けの書
籍向けのネタを探しているとのこと。
「これはチャンス」とばかり私はその方に、行政書士として融資の仕事をし
ていること、この分野については行政書士だけでなく一般の方の中にも興味
を持っている人が多いこと、にもかかわらず、これまでには融資についてキ
チンとした内容の本がないことなどを熱心にPRしました。
するとフンフンと話を聞いていたその人から、こんな提案ありました。
「わかりました。面白そうですね。一度企画書を作って送ってください」
念願かなった私は、速攻で家に帰ると翌日には企画書の原稿を書き上げ、
すぐにメールで送りました。
その後、しばらく先方からの連絡を待っていたのですが、よく考えたら出版
なんて初めてだし、ましてやいくら担当の人が興味を持ってくれたとはいえ
そんなに簡単に本が出るとは思えません。
「やっぱりダメなんだろうな」とあきらめかけていた時です。
一本の連絡がありました。
「出版社の〇〇です。昨日の編集会議で企画が通ったので、すぐに原稿を書
き始めてください」
まさかの一発OKです。
そのあと、居酒屋に祝杯をあげに行ったのは、もちろんです。
書くことの苦しみを味わう。
しかし、本当の苦しみはこれからでした。
本を書くにあたって、次の2つのことを担当者から告げられたのでした。
1つ目に、本の執筆は出版時期が決まっているので、原稿は約2ヶ月半で完
成させること。
そして2つ目に、今回は専門書の出版なので、内容に関する校正や修正は出
版社側は一切しないこと。
1つ目については、いわゆる「締め切り」というやつです。
もちろん、こちらとしても締め切りがあるというのは予測していたのですが
予想外に早い。
しかも、今回の本はただ書けばよいとだけではなく、ところどころに融資制
度の内容や運用などを紹介しなければならない。でも、数ある融資制度の中
でどれが最適なのか?
また、いろいろと確認したい部分があっても、周りの誰かに聞くということ
ができない。(というよりか、誰も知らない)
そんなわけで、十数項目にわたる疑問点をいちいち日本政策金融公庫や信用
保証協会に確認しているうちに、2ヶ月くらいの時間がアッという間にすぎ
てしまいました。
そして2つ目の、すべて自力で執筆という点についてですが、実は執筆をす
る前までは、こういうものには出版社での多少の手直しや、文章をかっこよ
くしてくれる、いわゆる「ライター」的な人がいて、自分のつたない文章で
も何とか見栄えのするようにしてくれるのだろうと考えていました。
しかし、予想を覆す「NO HELP」宣告。
ハッキリいってこっちの方が締め切りもよほど痛かったのを覚えています。
私も普段から文章を作る機会は少なくはないのですが、ブログや自分のHP
に書くものであれば、ほとんど責任を伴わない、いわば「書きぱっなしの」
ものであっても多少は許されます。
しかし、これが商業出版となれば、話は違います。
仮に内容がどんなに良くても、文章や構成がマズければ、それだけで読んで
もらえなくなる可能性が大です。
とはいえ、この点についても助け舟はないので、すべて自分でするしかあり
ません。
そんなわけで、一回書き上げた原稿を見直しては書き直し、また、書き足し
ては見直しての作業を計5回ほどした時、ようやく形になる原稿ができまし
た。
このときは時間的にもだいぶ余裕があった(つまりヒマ)ため何とかなりま
したが、通常通りに業務を進めながら並行して原稿を書いていくというのは
かなり大変です。
特に、はじめての出版となれば進行やスケジュールの感覚もわからないので
なおさらです。
なので、これから出版に取り組まれる方はこの点を心しておいた方がよいで
しょう。
なぜ、この本が生き残れたのか?
そんなこんなで、いろいろな苦労を乗り越えての出版となったわけですが、
はじめて本が書店の棚に並んだ時はうれしいのは当然ですが、それ以上にそ
の後の売れ行きが非常に気になりました。
なので、本屋に行ったときには、さり気なく自分の本を目立つ位置においた
り、棚差しになっているのを平台に置き換えたりなど・・・
むろんそんなことをしても売れ行きには影響などないのですが、やはり自分
では気になってしまうのですよね。
しかし、この本は本屋ではあまり売れなかったのではないかと思います。
では、どこで売れたのか?といえば、それは「アマゾン」です。
現在では、レビュー数を53もいただき、しかも9割の方から「★★★★★」
と「★★★★」をいただいていますが、発売してしばらくの間は全く評価な
どつかず、それどころかアマゾンで自分の本が売られているということ自体
気づいていませんでした。
そんな中、何かのきっかけで「アマゾンで売れますよ!」ということを教え
てくれた方がいて、恐る恐る自分の本を検索したところ、なんと評価がつい
ている。
しかも、ほとんどがいい評価。
レビューの件数が10件を超えたところから急に数が増え、そのあたりには
アマソゾンのレビューを紹介してくれるサイトやブログなどでもポツポツと
紹介されはじめました。
こんな感じでほぼアマゾンに支えられながら、細々と出版が続いてきたわけ
ですが、出版してやはり一番うれしかったのが読者の方の「役に立った」や
「参考になった」との声です。
中には、「この本の通りに事業計画書を作って、満額融資が出た」という方
もいて非常に励みになりました。
※ ちなみに、うれしかったことの2番目は「印税」です。
こんな感じで、この本の出版には、様々な幸運が重なった面が強いと自分で
も感じていますが、でもいいコンテンツを作っていれば、いつかはそれを認
めてくれる誰かが現れるということを身をもって感じた次第です。
ですので、これから出版を目指す方も、まずはあきらめずに自分だけしか書
けないコンテンツは何か?を考え、作り続けるようかんばってください。
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