創業融資と店舗の立地について
こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
私の事務所では、比較的、創業融資希望のお客様が多いのですが、
その中でも高い割合を占めるのが「飲食業」です。
創業融資を希望される方の約4割近くが、飲食関連の方です。
飲食の場合の創業融資のポイントとしては
・ 経験年数
・ 自己資金の額と借入金のバランス
・ 営業許可の見込み
あたりを気をつけていれば良いというのが普通なのですが、最近
では多少、「変わりつつあるかな?」と思うところが出てきてい
るように感じます。
その代表的なのが「立地」です。
では、「立地が融資審査にどんな影響を与えつつあるのか?」
今回はこの点についてご説明したいと思います。
飲食店における立地とは?
一般的に、飲食店をオープンするときには、その場所の立地が良
いか悪いかということがメチャメチャ重要となります。
その影響は「立地7割」といわれることからもわかります。
これまでの私のお客の中で、飲食店を始めた方のうち、今でも残
っているのはほんの数件しかありません。
それらのお客の立地を思い返してみると、素人の私から見ても
「ちょっと、ここで大丈夫?」
と思わず心配してしまうケースが少なくありませんでした。
例えば、
「地下店舗である」
「空中階の店舗である」
「住宅街の中である」
などです。
もちろん、これらの店舗であっても、繁華街の中ということなら
まだよいのですが、これらのケースはいずれも中途半端な商店街
や、路地裏の場所だったりします。
そんな場合は「なぜ、ここを選んだのか?」と確認するのですが
たいていは
「今の予算の中で、一番良い立地だったから」
という答えが返ってきます。
ここでよい方なら、他がどうだったのかは押して知るべしですが、
せいぜい3~5ケ所を、それも1ケ月とか2ケ月といった短期間
で選んでいるのですから、そうそう良い場所にはめぐりあえない
でしょう。
なので、本来であれば、もう少し多くの物件を見て、目が肥えて
から選んでもよさそうなものですが、どういうわけだか、お店を
OPENしようという人の多くは、開店時期を先に決めておいて
それに合わせて物件を選ぶということをします。
どう考えても順序が逆だろう!と思うのですが、本人たちの頭の
中には一日でも早くOPENしたいという気持ちしかないように
映ります。
私自身も、この仕事に就くようになってから多少は立地について
の勉強をしたのですが、そのほぼ素人から見ても、立地選びはい
い加減な方が多いという気がします。
金融機関の立地の見方とは?
そんなわけで、開業後の商売が危ぶまれるよう方が多いのですが、
では、「融資はどうか?」といえば、
これまではあまり立地の善し悪しが審査に影響したり、問題とな
ることはほぼありませんでした。
なぜなら、この点については
「金融機関の人間も、ほぼ素人」
だからです。
皆さんの中には、金融機関の人間といえば、
「頭が良くて、いろいろなことについて精通している人」
というイメージを持つ方も少なくないかもしれませんが、現実に
はそんな人はほとんどいません。
彼らは金融商品や札勘定、営業トークなどは一般の人よりも長け
ていますが、そもそも一般の企業に勤めたことがない人ばかりな
のだから、そんな専門知識を持っている人などいません。
それはさておき、そんなわけで多少は「怪しいな」と思うことは
あっても、これまでは立地にケチがついたり、それが問題で融資
が出なかったりするということはありませんでした。
しかし、ある時、とある信金で創業融資の申し込みをした時のこ
とです。
いつも通り、依頼者の少ない美点をできるだけ盛って、非の打ち
どころのない(自分ではそう思っている)事業計画書をつくり、
本人に金融機関へ申し込みに行かせました。
するとその日の午後に本人から連絡があって、その時の報告がさ
れたのですが、その時の一声が「立地が悪いといわれました。」
でした。
確かにこのお客の店舗の立地は、周囲にマンションばかりができ
つつある新興住宅街の一角で、どう見ても店のターゲットになり
そうな人は少なそうな地域です。
それだけでなく、店へは表通りから1m半ほどしかない路地を進ん
でいかなければなりません。
また、店自体も、正面に立てば店らしい感じなのですが、きょろ
きょろと見回しながら歩かなければ気がつかないほどの存在感の
なさ。
ハッキリ言って、それまで見てきた中でも、最悪の部類です。
なので、私も心配はしていたのですが、これまでの経緯からも金
融機関の人間が何かいちゃもんをつけてくることはないだろう。
と高をくくっていました。
ところが、今回に限ってはさすがの金融機関の人間も不安になっ
た見えて、その点をだいぶ強く確認されたとのことでした。
しかし、そんなこんなもありながら、何とか融資は満額の獲得に
成功したわけですが、最近ではこのようにあまり今までは触れら
れなかったことも、問題になる傾向が強くなっている感じがしま
す。
なので、皆さんも、「前回OKだっから大丈夫」と考えないで、
「何かあるかも?」という意識を常に持って取り組んでください。
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