行政書士のための「融資講座」【その8 金利】

こんにちは、Ichigo(一期)行政書士事務所の引地です。
皆さん、融資でお金を借りるとき、金利がいくらなのかって
気になりますよね。
たとえ1%の差であっても、長期で借りる場合には支払い額に大きな
差が出るので、いくらの金利で借りるかは重要な要素となります。
でも、金融機関がどうやって金利を決めているのか?、なぜ、金融
機関ごとに金利が違うのか?ということをご存知でしょうか?
今回は、この「融資の金利」についてお話ししたいと思います。
融資の金利は同じではない。
企業が融資を受ける場合に設定される金利は、金融機関が
その時々の条件や、その体力などを考慮して決めています。
なので、通常、金利は金融機関ごとにバラバラなのが当たり前
ということになります。
また、支店によっても金利を決定する際の判断が違うことから、
同じA銀行から融資を受けた場合でも、甲支店では2.8%なのに対し、
乙支店では3.3%になるということも珍しくありません。
以前は、「規制金利」といって、すべて金融機関の金利は
政府が決めた金利を適用することが義務づけられていました。
しかし、この「規制金利」は、1979年の譲渡性預金の金利が
自由化されたことをきっかけに,1994年10月にほぼ廃止され、
現在のような自由金利となっています。
このように、金利は金融機関(場合によっては、支店)ごと
に定められている基準にもとづいて決定されています。
しかし、これに対してどの企業が融資を受けても同じ金利が
適用される場合があります。
それが「制度融資」を利用した場合です。
制度融資とは、都道府県や市町村といった行政と金融機関、
それと信用保証協会が一体となって作っている融資商品
のようなものです。
一定の要件を満たす中小企業であれば、誰でも利用することが
できます。
この制度融資には、お金の使い道に応じて
「創業融資」とか「小口融資」などといったいくつものメニュー
があり、その中でこの融資の金利は〇%というように決められて
いるのが普通です。
とはいえ、制度融資のすべてがこのように固定型の金利で決まって
いるわけではなく、融資の種類によっては、金融機関が定める金利
が適用される、いわゆる変動型金利が適用されるものもあります。
こようなわけで、
固定金利型の制度融資を利用する場合には、企業の実績や規模に
関係なく同じ金利が適用されるわけです。
融資の金利を決めるものは?
では、金融機関が企業に対して融資をする場合、どのような部分を
見て金利を決めているのでしょうか?
その重要なポイントとなるのが「企業の格付け」です。
企業の格付けについては、別のところで詳しくご説明していますが、
金融機関も商売である以上、利益を出さなければなりません。
そうなると、優良な企業とリスクの高い企業に同じ金利で貸すので
はなく、当然、優良な企業に対しては低い金利で、業績の悪い企業
に対しては高い金利で融資することになります。
このように企業ごとのリスクを一定の方法でランク付けしたものを
「銀行格付け」といいます。
そして、この銀行格付けの評価に、その他の要素を加味した
ものが個別の企業の金利になるというわけです。
では、そもそもこの「銀行格付け」はどのように決められているの
でしょう?
その基準の大元となるのが「債務者区分」といわれるものです。
債務者区分とは、金融庁が決めた金融検査マニュアル等によって定
められた貸し出しを受けている企業をその内容ごとに区分したもの
で、次のように分類されています。
正常先 特に問題のない貸し出し先
要注意先 軽度の赤字や延滞がある貸し出し先
要管理先 要注意先の中で、一定期間の延滞やリスケジュール
(元本の返済猶予)をしている先
破綻懸念先 経営の破たんの可能性が高い貸し出し先
実質破綻先 法的には存在しているが、実質的には経営が破たん
している貸出先
破綻先 法的に破たんしている貸出先
金融機関では、このような債務者区分の結果に、自行での評価を
加味したものにより、最終的な金利やその他の条件を決定して
いるわけです。
なので、業績の良い甲社とやや業績が低迷している乙社を比べた場
合、同じ正常先に区分されていたとしても、甲社は正常先の中の格
付けのAAであるのに対し、乙社はABの評価になるというように、
異なった格付けが適用されることもありえます。
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