意外!金融検査マニュアルのこんな便利な使い方
こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
前回は、金融検査マニュアルの概要についてご説明しました。
「なんだか難しくて、よくわからない」
という方もいらっしゃったかもしれませんね。
でも、これって、使い方によっては、すごく企業の業績の改善に役立つ
ということをご存知でしょうか?
金融検査マニュアルは、金融検査の時の運用や解釈に関するものが
中心です。
しかし、その中には中小企業版というのがあって、これには
「こうすれば、中小企業の債務者区分をもっとあげられるよ」
とか
「こういうことをしたら、評価を下げずに済むよ」といった、
困っている企業を救済するためのヒントがいくつも書かれているのです。
たとえば、ある電気店Aは、近くに大型量販店ができたため、
売上は低下し、慢性的な赤字に陥ってました。
しかし、代表者は会社の赤字を埋めるため、継続的に多額の資金を会社
に貸付けし、その結果、銀行への返済もなんとか遅れずにすんでいると
いう状況でした。
でも、これって、普通に考えれば、表面的にはともかく、内容的には
「もう、ダメだろ」という感じですよね。
でも、マニュアルでは、このようなケースは、本来、要注意先以下(や
や問題ありのランク)に区分されるべきだが、このような経営者の努力
で延滞などが発生していないのならば、区分は正常先(問題のないラン
ク)として扱ってよいということになっています。
その他にも、このマニュアルには
・ 赤字経営だが後継者の積極的な支援が得られるケース
・ 経営改善計画を提出することにより、債務者区分のランクダウン
を免れることのできるケース
・ 債務超過状態ではあるが、マスコミ等を通してその技術力が高く
評価されているケース
などについては救済してもよい、といったような事例が豊富に掲載されて
います。
つまりこれって、
「ダメな企業の救済事例のカタログ」
みたいなものなんですね。
特に、経営改善計画の提出に関する事例については、
「どのような水準の計画を」
「どのような形で提出し」
「その後に何をすべきか?」
といった有効活用のためのヒントが豊富に含まれているので、
非常に参考になります。
中には、すぐにまねのできるものもあるので、こんさるをされる皆さんも
取引先の状況にあわせて使えるものがないか、ぜひ、探してみてください。
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