銀行を味方にする「魔法の言葉」とは?
こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
たまに、お客さんの付き添いで銀行や信用金庫での打ち合わせに
同席することがあるのですが、そんなとき厳しい表情で出迎えら
れることがよくあります。
実際、顔は笑っているのですが、目の奥が笑っていないというか
笑顔が張りついているというか・・・
もちろん、お互いに初対面でもあり、向こうでは社長の代弁にき
たんだろ、ぐらいに思っているはずなので仕方ない部分もあるの
ですが・・・
銀行員とお客との間にあるズレとは?
でも、そんな金融機関のほうでも、ある瞬間からその表情が緩み
フレンドリーになることがあります。
それはどんなときかといえば、
「実は、私も昔、金融機関にいたことがあるんですよ。」
といったときです。
なぜ、この一言でこんなにも印象が変わるのか?
それは、
「金融機関出身の人間ならば、ある程度はこちらの考えや言って
いることもわかるだろう」
という安心感によるものです。
ご存知の方も多いと思いますが、金融機関の世界というのはかな
り特殊です。
なので、経営に対する考え方や数字の捉え方一つをとっても、一
般的なものとはかなり異なります。
いわゆる「銀行ロジック」というやつです。
銀行員はこれを当たり前と考えているのですが、中にはこの点が
ぜんぜん理解できないお客などもいて、そういう場合には銀行側
の考えを理解してもらうのにかなり骨が折れたりします。
たとえば、会社から代表者に対する貸付金があった場合、余裕の
できた時に返済すればよいだろと考えるのが普通です。
しかし、銀行側としてはそれではダメで、たとえ法人とその代表
者のやり取りであってもそれぞれが別の人格である以上、キチン
とした貸付契約や利息の支払いがないと正しい処理とは認めない。
と考えます。
このように、いろいろな部分でお客と銀行側の考えが異なること
は結構あるのですが。相手が金融機関出身の人間であれば、少な
くともこんな説明はしなくてよいし、その後の話もスムーズにま
とまります。
なので、「実は、私も金融機関の出身で・・・」。
と話すと、それまでは、「今後、どんなお考えなんですか?」
「ここの数字はどうなんですか?」などと、紋切調だったのが、
「あー、そうなんですね。じゃあ、ここはこんな感じで行きまし
ょう。」とか「実は、ここの部分については、ウチも困ってんで
すよ。」といきなりくだけた口調になったりすることもしばしば
です。
こうなれば、こちらもかなり本音に近いことがいえるので、当然
話し合いも前向きなものとなります。
普通の人でも使えるマジックワードとは?
これなどは金融機関出身者にしか使えない、ある意味、裏技です
が、しかし、一般の方でも金融機関に一目置かれる方法がありま
す。
それは
「要管理債権(通常は「要管」と略)とか債務償還年数」
といった金融機関用語を使うことです。
以前の回でもご説明したように、現在の金融機関というのはすべ
からく金融庁の指導にもとづいて動いており、その中でも金融検
査マニュアルは、中小企業への査定や運用をする上で特に重要な
ものとなっています。
なので、この用語を知っているとなれば、一般的な金融に関する
内容も理解できていると思ってもらえるわけです。
なので、もし、これをするのなら
「こちらでも経営改善のために、金融検査マニュアルの事例〇〇
なども参照し、経営に努めてきたところですが、この点につい
ての金融機関さんのご意見を伺いたく、同席させていただきま
した。」
などと言えば、かなりスムーズに話ができるのではないかと思い
ます。
こうすることにより、金融機関側としても
「この企業はよく勉強しているだけでなく、本気で改善に取り組
んでいるんだな。」
「このコンサルはよく金融のことがわかっているな」
という印象を持ちますので、単に経営の内容を決算書の数字をあ
げて説明するよりも、彼らの協力を得やすくなります。
しかし、くれぐれも「自分はこんなことまで知っているんだ。」
などという偉ぶった態度はしないように注意してください。
このように何気なく話している金融機関とのやり取りの中でも、
彼らの理解や協力を得やすくするキーワードというものがあるわ
けです。
もちろん、これらを使うにあたっては、その内容をよく熟知して
いなければ逆効果となってしまいますが、うまく使えればコンサ
ルとしての面目も躍如できることになります。
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