企業サポートと金融検査マニュアルについて
皆さん、金融検査マニュアルって、ご存知でしょうか?
こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
金融検査マニュアルとは?
これはレポートなどにも書かせていただいたのですが、最近になって
中小企業庁がローカルベンチマークを制定したり、金融庁では、金融
仲介機能のベンチマークを作ったりと、金融関係の動きがだいぶあわ
ただしくなってきました。
しかし、いずれにせよ、注意しなければならないのは、これらの指標
や運用が、現在の金融検査マニュアルに、すぐにとって代わるもので
ないということです。
なので、当然、金融機関の中小企業に対するスタンスも、しばらくは
現状通りということになります。
そこで、今回はまだ金融検査マニュアルのことをよく知らないという
方のために、その概要について説明したいと思います。
金融検査マニュアルとは、⾦融庁の職員が⾦融機関に対して検査をす
る場合に使⽤する判断基準や査定基準をまとめたものをいいます。
このマニュアルによれば、融資先の企業はその財務内容に応じて、
下記のように分類されることとなります。
区 分 |
概 要 |
正常先 | 業績が良好であり、財務内容にも特段の問題がない |
要注意先※ | 業績低調、延滞など、今後の管理に注意を要する |
要管理先 | 要注意先のうち要管理債権※がある |
破綻懸念先 | 現在は経営破綻の状況にないが、今後、破綻が懸念される |
実質破綻先 | 法的・形式的な経営破綻の事実はないが、実質的に破綻している |
破綻先 | 法的・形式的な経営破綻の事実が発生している |
※ 要注意先のうち、「元本または利息の3ケ月以上の延滞」または
「貸出条件の緩和(リスケジュール)をされている債権」のいずれかに
該当するもの。
ちなみにこの区分の中でまともに融資が受けられるのは、上から2番目
の要注意先までで、それ以下については、融資はされません。
このように自分が、この区分のどこに位置するかは、融資先の企業に
とっては死活問題となります。
債務者区分と銀行格付けの違い
一方、金融機関では、このおおざっぱな区分だけでは企業の評価をす
ることが難しいことから、この債務者区分と連動させる形で各々が独
自の基準に従い、これをさらに細かく分類しています。
これが俗にいう、「銀行格付け」です。
つまり、「債務者区分」が全国統一ルールだとすれば「銀行格付け」
は銀行ごとで定めた―カルルールということになります。
そのため、融資の貸し出しにあたってはこのマニュアルによる債務者
区分や銀行格付けの内容が企業の価値を決定する際の判断基準となり、
このマニュアルから外れるものについては
「積極的な融資を控える。」
「金利を引き上げる。」
「貸付金の回収を強める。」
などといった運用がされてきました。
以上のように、金融検査マニュアルの判断基準や運用は、企業の評価
を大きく左右してきたわけですが、今後については 、その変更も含め
て引き続き状況を見守っていく必要があります。
また、企業をサポートする行政書士としては、ただ単に知識として知
っているというだけでなく、その企業がどの程度の債務者区分に位置
しているかくらいについては理解しておく必要があるでしょう。
もっと融資や行政書士の仕事について知りたいと思ったあなたは、ぜひ融資コンサルになるための特別無料レポートを請求して下さい。
ブログには書けない特別な情報をお送りいたします。
関連ブログ
-
要注意!飲食店の創業融資はこんなに特殊。
2020年02月18日
ブログを読む -
補助金と行政書士について【その1】
2017年05月11日
ブログを読む -
「行政書士営業セミナー」実践報告
2018年02月02日
ブログを読む -
祝増刷決定! でも、その裏側には?
2018年08月27日
ブログを読む -
行政書士のための「融資講座」【その3 融資の種類編2】
2019年10月23日
ブログを読む