行政書士のための「融資講座」【その4 運転資金の計算法】

こんにちは、Ichigo(一期)行政書士事務所の引地です。
前回は、「資金使途から見た場合の融資の種類」と「経常運転資金」
についてご説明しましたが、必要な額の運転資金を計算する方法は
もう一つあります。
これを知ることにより、簡単に「その企業では運転資金が足りてい
るのか?」、「それとも不足しているのか?」を知ることができます。
今回はこのもう一つの方法についてご説明します。
期間を使った経常運転資金の出し方
経常運転資金を算出する2つめの方法は「期間」により算出するもの
です。
仮に、商品が掛けで売れて、その売掛金が現金化できるのが1ヶ月後
だとした場合、この間についても仕入れや家賃などといった経費は発
生します。
しかし、先ほどの売掛金が現金になるのは1ヶ月後なので、この間に
ついては資金調達が流出するだけということになります。
また、事業をするためには一定の在庫も必要となりますが、これにつ
いても販売できるまでは現金化できないため、その在庫の購入に要し
た現金は支出したままとなります。
一方、掛けで買った商品の買掛金の支払いも1ヶ月に後だとすれば、
こちらについてはその期限が来るまで現金を支払わなくて済むことに
なります。
つまり、売掛金については1ヶ月分の資金の流失、在庫についても
1ヶ月分、合計2ヶ月分の資金のマイナスとなりますが
買掛金については1ヶ月支払いを待ってもらっているので、1ヶ月
分については資金のプラスとなります。
したがって、トータルでは
売掛金1ヶ月間+在庫1ヶ月間-買掛金1ヶ月=1ヶ月分が資金の
マイナスとなるわけです。
仮に、1ヶ月の間に2,000万円売り上げがあるとすると、経常
物運転資金は2,000万円×1ヶ月=2,000万円の資金不足
が発生することとなります。
このように経常運転資金は
「売掛金」+「受取手形」+「在庫」-「買掛金」
という量的な計算をするのが一般的ではありますが、それ以外にも
売掛金や在庫等の期間から算出することもできます。
「経常収支」とは?
一方、金融の用語には「経常収支比率」というものがあります。
これは一定期間におけるその企業の事業活動に要する現金収入と現
金支出がどの程度あったかを比較するもので、これにより当面の支
払いができているかどうかを表すものとなります。
たとえばもし、この比率が200%ならば、現金支出の2倍の収入があ
ったことを意味します。
この数値は経常運転資金と同様に、金融機関の人間が必ずチェック
する指標であり、この収支がマイナスの場合には融資が難しくなる
要因となります。
経常収支比率=経常収入÷経常支出×100%
【経常収入】
売上高-受取手形増加高-売掛金増加高+前受金増加高+
前受収益増加高+営業外収益
【経常支出】
売上原価-支払手形増加高-買掛金増加高-未払.未払費用増加高
+棚卸資産増加高+前渡金.前払費用増加高+販管費+営業外費用
+その他流動資産増加高-減価償却費−貸倒引当金増加高
こうやって文字で書くと何だかわからないと思いますが、つまり
経常収支については売上高から支払わなければならないものの増
加分(受取手形増加高と売掛金増加高)を引いて、それと逆に入
ってくるもの(前受金増加高+前受収益増加高+営業外収益)を
加算したものということになります。
経常支出についても考え方は同様です。
最終的には、この2つを加減する=純増または減少した現金を算出
して、その企業の事業活動による収支がプラスなのか?,マイナ
スなのか?を判断するというわけです。
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