創業融資と資本金の関係
こんにちは、行政書士再生コンサルタントの引地です。
前回のブログでは、会社の資本金が大きいだけではなく、融資を
受ける場合には、もっと注意すべきことがあると説明しました。
それは何かといえば・・・
「資本金の作り方」です。
融資を申し込む会社の資本金はこうすべき!
日本政策金融公庫の新創業融資制度や一部の制度融資では、融資
の申込みには一定の「自己資金」があることが条件となっていま
す。
そして、法人についてこの自己資金がどのくらいあるかを確認す
るには、会社登記簿の「資本金欄」を見ればわかります。
これだけならば
「なーんだ、だったら、やっぱり資本金が大きい方が
有利なんじゃないか!」
ということになりますが、融資で一番重要なのはその額そのもの
よりも、
「その資本金をどうやって作ったか?」
ということなのです。
ただ単に、資本金を大きく見せるだけならば、いろいろとやりよ
うはあります。
たとえば、「一時的な見せ金を使う」、「多額の現物出資をして
資本の金額を膨らませる」、「他から資本額の大きな会社を買っ
てくる」etc・・・
しかし、融資の審査では、これらはいずれも通用しません。
なぜなら、金融機関が求める自己資金とは、キチンと貯めた実態
があって、それが通帳などで証明できるものでなければならない
からです。
なので、たまに
「登記簿上の資本金額が多ければ有利になるだろう」
と単純に思い込み、いろいろな手を使ってこれを増やそうという
人がいますが、たいていは審査に通りません。
では、なぜ、金融機関では、それが正しく作られた資本金なのか
どうかがわかるのでしょう?
それは、たとえ会社の登記簿でいくらの資本金として記載されて
いたとしても、それとは別にそのお金の出所である通帳を確認す
るからです。
ですので、よくわからないところからのお金や、入金された後に
すぐに引き出されて他に振り込まれているお金などについては、
自己資金としては、見てもらえないわけです。
※ もちろん、すぐに引き出されていても、それがキチンと
した事業に使われているものであれば、問題ありません。
会社を設立手続きというのは、現在では誰でもできるものとなり
ました。
しかし、その会社を使って融資を申し込むのであれば、この点を
シッカリ理解しておかないと、取り返しのつかないことになって
しまうこともあるわけです。
また、余談となりますが、資本金について注意したほうがよいこ
とがもう一点あります。
会社の資本金が1,000万円を超えると?
それは、「資本金の額の大きさ」です。
現在、これから事業をされる方については、その資本額が1,000
万円未満である場合には、開業後2期間について消費税免除の恩
恵を受けることができます。
しかし、これが1,000万円以上となってしまうと、翌期から消費
税の対象事業者となってしまいます。
では、もし、他からの出資を受けるなどして資本金が1,000万円
以上となってしまう場合には、どうすればよいのか?
他人から出資を受ける場合には、1,000万円を超えてしまうこと
もあり得ます。
このような場合、会社法により出資金額の1/2までは資本金
に組み入れずにこれを「資本準備金」とすることが認められて
います。
でもこの際に気をつけなければならないのは、
新設法人である場合にその資本金の50%を超える部分が他の会
社等に保有されている場合には、「特定新規設立法人」として、
消費税免税の恩恵が受けられなくなってしまうということです。
なので、もし、このような形で出資をしてもらうのであれば、
事前に税理士さんの確認を取ってから行ってください。
ちなみに、これらの点については登記のスペシャリストである
司法書士の先生もご存じないことが多いようです。
ですので、行政書士の方は、もし、融資を受けることを前提に
会社を作りたいという方がいらっしゃる場合には、この点につ
いてもシッカリとアドバイスできるようにしてください。
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